不用品回収の相見積もりは、まず市区町村の案内で依頼先を確かめます。そのうえで、二社以上に同じ品目表、現場写真、搬出条件、希望日を渡し、現地確認後の書面総額で比べるのが基本です。会社ごとに違う条件で概算を聞くと、金額差がサービス差なのか、単なる情報差なのか分かりません。
国民生活センターは、市区町村のホームページや窓口で一般廃棄物処理業の許可業者を探し、複数社から見積もりを取って、追加料金などを確認するよう案内しています(2026年9月12日確認)。社数だけ増やすのではなく、比較できる情報の形をそろえます。
問い合わせ前に、比較の土台を一枚にそろえる
家族で決めることと、事業者へ聞くことを一枚の条件票に分けます。全項目が決まるまで待つ必要はありません。分からない欄は空欄にせず「未確認」と書けば、各社の回答を同じ位置へ足せます。
| 区分 | 条件票に書くこと | 未定の時の扱い |
|---|---|---|
| 品物 | 品名、数量、寸法、置いてある部屋 | 収納内など未確認の場所を明記 |
| 搬出 | 階段、エレベーター、駐車位置、養生 | 現地確認が必要と記載 |
| 日程 | 希望期間、作業できない日、完了期限 | 家族確認中と記載 |
| 家族判断 | 残す物、査定だけの物、回収する物 | 回収対象へ入れない |
| 連絡 | 当日の立会者、金額変更を承諾できる人 | 連絡がつかなければ追加作業をしない |
条件票には「第1版」のように版を付けます。後から品目が増えた時も、どの版をもとに見積もったのかを追えます。
品目一覧と写真を用意する
品目表は、部屋ごとに番号、品名、数量、寸法、解体の要否を書きます。「家具多数」「一軒分」では、各社が想定する量がそろいません。収納の中も確認し、見積もり後に増える可能性がある箱は別欄にします。
写真は次の順で撮ると説明しやすくなります。
- 建物の外観と駐車位置
- 玄関、廊下、階段
- 各部屋の全景
- 大型家具・家電
- 物置、押し入れ、庭
- 狭い扉や曲がり角
個人情報が写る書類や家族写真は、伏せるか撮影範囲から外します。
希望日・階段・駐車を伝える
希望日は第一候補だけでなく、作業可能な期間と時間帯を伝えます。退去日や売却予定日がある場合は、何日までに完了する必要があるかを書きます。
階数、エレベーター、車両を止められる位置、玄関までの距離、養生の要否を各社に同じ文章で渡します。集合住宅なら管理規約の作業時間も添えます。
電話概算と現地見積もりを分ける
概算が変わる条件
電話や写真で受ける金額は、情報が限られるため概算の場合があります。何が確定していて、どの条件で変わるかを聞きます。概算の比較だけで契約先を決めず、荷物が多い実家では現地確認を依頼します。
概算時に確認するのは、対象品、車両、人員、基本作業、対象外品、現地見積もりの費用、キャンセルです。
現地で追加する情報
現地では、電話時の品目表を担当者と照合します。家具の中身、屋外品、残す物、売却候補、家電の取り外し、搬出経路を確認し、増減を同じ版に反映します。
現地で新しい条件が分かったら、先に見積もった会社にも伝えます。条件差を残したまま金額だけ横並びにしません。
各社に同じ質問をし、回答状態も残す
処理経路・追加料金・キャンセル
質問表を作り、口頭回答ではなく見積書やメールに残します。回答は「確認済み」「回答待ち」「未確認」「対象外」のいずれかにします。「たぶん含まれる」を確認済みにしないためです。基本の質問は次の通りです。
| 質問 | 確認する理由 |
|---|---|
| 家庭ごみを誰が収集運搬するか | 許可・委託関係を確認する |
| 総額に含まれる作業は何か | 会社ごとの範囲をそろえる |
| 追加になる条件は何か | 当日変更の判断を決める |
| キャンセルはいつから有料か | 比較中の負担を把握する |
| 作業報告と領収書は出るか | 完了後の記録を残す |
許可番号の名称だけで判断せず、実家の自治体で家庭ごみを扱う根拠を具体的に確認します。
買取と値引きの扱い
買取を含む場合は、回収費、値引き、査定品、買取額、最終支払額を分けます。会社によって査定対象が違うと、回収サービスの価格差を比較できません。
売却を決めていない品は「査定のみ」とし、回収対象に混ぜません。即決値引きは、元の金額と適用条件を記録します。
見積書は金額と未確認項目を横並びにする
総額と作業範囲を揃える
比較表は税込総額だけでなく、作業範囲を同じ列にします。
| 比較欄 | A社 | B社 | 確認メモ |
|---|---|---|---|
| 税込総額 | 支払方法も確認 | ||
| 品目・数量 | 同じ版か | ||
| 人員・車両 | 時間・往復 | ||
| 解体・養生 | 含む/別料金 | ||
| 対象外品 | 残る品と処理先 | ||
| 追加条件 | 単価・上限・承諾 | ||
| 処理方法 | 事業者名・関係 |
金額が高いか低いかだけでなく、残る作業、家族の負担、日程、記録の明確さを見ます。総額が安くても「未確認」が多い見積もりは、条件がそろうまで順位を付けません。
未記載項目を質問する
空欄は「含む」と解釈せず、質問番号を付けて各社に送ります。回答は修正版見積書に反映してもらい、発行日と版番号を記録します。
見積もり有効期限が異なる場合、比較と家族確認が終わる日まで有効かを確認します。契約書に進む前に、見積書と条件が一致しているか再点検します。
断る会社にも早めに連絡する
キャンセル期限を守る
候補を決めたら、依頼しない会社に早めに連絡します。現地見積もりの時点で契約が成立していないか、申込書や予約金があるか、キャンセル期限を確認します。
断る理由を詳しく説明する必要はありません。「家族で検討し、今回は依頼を見送ります。見積もり番号○○の予約が残っていないことをご確認ください」のように、対象を明確にして書面で送ります。
比較記録を次の更新に残す
採用した会社だけでなく、各社の見積日、条件、断った日を保存します。作業当日に品目が変わった場合は、当初比較表に変更理由と再見積額を追記します。
相見積もりの目的は、最も低い一行を選ぶことではありません。最後に見るのは、同じ版の品目表、書面の税込総額、追加条件、家庭ごみを扱う仕組みの四点です。まずは条件票を一枚作り、未確認の欄を残したまま同じ版を二社以上へ送るところから始められます。





